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社員全員に存在意義がある〜人材育成に本腰で取り組む〜泰清倉庫(株)代表取締役 小山清次郎

  「倉庫業は責任を預かり安全を保障し、信頼をお届けする仕事です。つまり依頼主とその客先との間に信頼関係を取り持つ大変重要な役割なんですよ」と誇らしげに語る泰清倉庫(株)小山清次郎社長を訪ねた。
 写真/左から 小山明孝氏 小山清次郎氏 小山展弘氏

経済状況悪化の中での起業

 
 戸田市は荒川を隔てて東京に隣接し、陸上交通が便利であるにもかかわらず、地価は相対的に低く、倉庫業を営むには絶好の立地である。小山氏がそこに着目し、父親から継承された土地に昭和44年倉庫を建てたことが泰清倉庫の始まりである。
 第二次オイルショックの余波で、経済が立ち上がりを見せない中での起業であったが、「一番悪い時期だからこれから良くなるよ」という叔父のアドバイスが後押しとなった。その後、昭和50年に弟である小山明孝氏(川口地区会会長)が学校を卒業するのを機に、二人で協力し倉庫業へのスタートをした。家業的な賃貸の仕事から本格的な倉庫業への転換をも意味するものだった。
 昭和48年から製本関係の仕事が増え始め、現在は全ての管理を明孝氏が担当しており、苦しい時期も共にやり抜いてきた存在は非常に大きい。
 

 人材育成の壁に直面し同友会へ

 「いざ会社を始めると、人材の課題がすぐに出てきました。今考えれば如何に社員が気持ちよく責任を持って働いてくれるかということだったのですよね」と小山社長は当時を振り返る。昭和50年から平成2年までの15年間は、倉庫業界にとって大きな成長期であった。その成長期の中でも課題は人材育成だった。「忙しさにかまけて何も出来ず『人材育成』が出来なかった。その頃の自分はまだ自信がなくて仕事を部下に任せることが出来ない、任せられるだけの賃金も払えない、そして指導力がなかった」と自分が原因であったと厳しく自己分析する。そんな時、従兄弟の小山忠氏(小山企業(株)常務取締役、戸田・蕨地区会)に「家業から企業へ変化しなくてはいけないよ」とアドバイスされ、同時に同友会も紹介してくれたという。以来、社員教育に本腰を入れている。
 今回の取材のテーマ「埼玉の元気を創る」を受け「私も元気という言葉は大好きです。いくら厳しい状況におかれても元気だけは忘れない。こんな企業ムードを創っていきたいですね」同友会入会前の“自信もなくて指導力もない”時代もおそらく社長は、今と変わらぬ元気な太い声で社員を引っ張って来たに違いない。

経営指針を軸に新しい泰清倉庫へ

   その思いを受け継ぎ、1年前からはご子息の小山展弘氏が入社され、経営陣が厚みを増した。生産効率アップや数値目標もより具体的に追求できるようになってきている。
 経営理念は今年、展弘氏が「会社が40年続いている原因を探ったところ、先代のお客様を大事にする精神が今日まで続いてきたからだと思いました。今後もその精神は継続したいです。また、以前勤めた会社の経験より、会社に属する人間は一人一人必要であり、欠けては成り立ちません。社員もお互いの存在で仕事が成就する事に敬意を払い、人材の育成を目指していきたい」という思いでさらに磨き上げ、経営指針セミナーで経営指針書を作り上げた。また、「新倉庫移転に伴なう作業効率化・人材の活性化・介護用品事業への進出」という経営革新計画が2009年に承認され、新倉庫も建設された。今後の新事業は展弘氏が担当し、経営指針を軸に据え、新しい泰清倉庫を展開していくこととなった。

振り返ることでやるべきことが見えた!

   新年に向け、この取材のために起業から現在までの歴史と思いを綴ってくださった小山社長は「41年間を振り返り、自分なりに書き上げてみると、やるべき事が見えてきた」と語る。それは、3回に亘る経営指針づくりの研修結果である最大の実行課題=「人材の育成、新規顧客開拓」。時代を見据えた行動をすることを目標に今後の事業展開へ強い意欲をみせている。  

経営理念

お客様の「その一つ」の商品から、ご満足頂けるよう最大限の物流サービスを創造する。
お客様の視点に立ち、真に求められている入出庫及び保管業務を追求する。
従業員一人一人が丁寧に流通加工を施し、満足いただける付加価値を提供する。
任務に携わる社員全員に存在意義があり、お互いに敬意を表し、心身共に豊な人生を送れる企業となる。

会社概要

  泰清倉庫(株) 
代表取締役 小山清次郎 
335-0027 埼玉県戸田市氷川町1-12-14
TEL:048-441-0633  FAX:048-444-4078

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