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「経営とは心のあり方」経営指針づくりを通して確固たる想いに (株)東部重機 代表取締役 小野寺貫一氏

何のために経営していますか?

   今期30期を迎えた(株)東部重機は、建設機械のリース、レンタル、販売、修理業を行なっています。2004年にISO9001認証取得。現在は(修理)指定サービス工場として加藤製作所の油圧ショベル、ラフタクレーン整備、楊重検査はじめ、ヤンマー建機、古河削岩機等の全建機メーカーとサービス契約を締結し、近隣の顧客からアフター工場として信頼を得ています。
 小野寺貫一社長は、同友会に入会してすぐに経営指針セミナーに参加し以降3年連続で取り組んでいます。
「何のために経営していますか?」
資金繰りで苦労したことはあったものの、創業以来順調に黒字経営を続け、いよいよ事業継承を考える時期となった小野寺社長が問いかけられた時、「言葉が詰まり答えられなかった」そうです。

“心の経営”で会社が変わる

   順調に経営を続けてきた小野寺社長ですが、かつては資金繰りで苦労し、不渡り手形によって会社倒産の危機を迎えたこともありました。「『岩手県人の成功者の一人』などと取材されたこともあり、会社を社員に任せ、毎晩飲み歩いていた頃です」。
「もっと社員を働かせなきゃ」という考え方から、全部自分に原因がある、経営者自身が学ばなければならないと決心しました。それ以来、経営とは「心のあり方」と考え、倫理法人会で、倫理を学び、心の経営を勉強したおかげで職場に活力が出、朝礼にも取り入れて会社が良くなりました。同友会に入会し、こうした心の経営を、経営指針づくりを通じて経営理念としてあらためて成文化することで確固たる想いとなりました。

昨年度経営指針セミナーへ息子の博之氏と参加

   3回目の参加となる2010年度の経営指針セミナーには、息子さんの小野寺博之取締役と2人で参加しました。半年間の成文化の過程では、内容について直接話し合うことなく各自が取り組み、経営理念についても全く相談しなかったそうです。経営理念をゼロから成文化し、社内に伝えて行く過程を学んでほしいとの意図からです。
 事業継承は我慢くらべと小野寺社長は言います。今までは何でも自分が作ってきたが、これからは口を出したいのをじっと我慢して任せることが必要です。口出しをしないことで「こんなことになるなら、はじめから言ってくれれば…」と思われるかもしれないが、失敗を経験し、自分自身で考えて行動することが一番身につくのです。事業継承は、小野寺社長にとっても「中小企業のおやじ」から「企業人」へのステップであると言います。今後息子さんには、一度成文化した理念を社内で見直していくプロジェクトを立ち上げ、社内で共有していくことを期待しています。

中長期の人材育成ビジョンの必要性

   経営指針づくりセミナーに参加することで経営への考え方が変わったと取締役の博之氏は語ります。社員が1名退職し補充採用を行なったときの話です。採用後に部課長が打ち合わせをした際に、どの仕事を担当してもらうかという議論が先行していることに違和感を感じました。「新しく入社した社員が当社でどんな人生を歩むのか、どのように成長していくのかという観点で議論を始めるべきではないか」と話しました。中長期の人材育成ビジョンの必要性を実感したと言います。

「スタッフの力が何よりも大切なんです」

   「東部重機が今日あるのはすべて“人”のおかげです。重機は、現場の生産性を上げるための道具です。重機レンタル業とは、お客様の生産性向上を支援する仕事です。どのような機械も絶対壊れない機械はありません。だからこそ、何かトラブルが発生した時に早急に臨機応変に対応できるスタッフの力が何よりも大切なんです」と力強く語る博之氏の隣では、従業員の幸せを第一に考え、「心の経営」を進めてきた小野寺社長がうれしそうに見守っていました。
(取材/東部地区会 加藤茂、中林隆敏)

経営理念

・私達は、環境に優しい建設機械を「貸します・売ります・直します」を合言葉で提供します。
・私達は、地域の発展と、社員と家族と取引業者の幸せを実現します。
・私達は、明朗・愛和・喜働、考えるよりまず実践、感動・感謝・皆が自負出来る会社にします。

会社概要

株式会社 東部重機
代表取締役 小野寺 貫一 
  取締役 小野寺 博之 
さいたま市岩槻区笹久保新田911−1
TEL: 048(798)2910
FAX: 048(798)2913
/http://www.tbj.co.jp

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