地産食彩
株式会社矢尾本店 酒づくりの森

□ お酒のできるまで

精米

精米機で脂肪・蛋白質を取り除くため精米します。今回は50%まで精米。お米の大きさやでき等によっても精米する%は変わり、職人さんの経験で決められます。削り取られた残りの「ぬか」や「上新粉」も酪農家や食品製造メーカーなどに回され無駄になりません。
精米

洗米・浸漬(せんまい・しんせき)

洗米機でお米を洗ってから適度に水分を含ませます。
洗米・浸漬

蒸米(むしまい)

洗米・浸漬を行った後、大きな釜で60分ほど蒸します。この蒸気は朝6時ごろから白い煙が立ち昇るそうです。

麹(こうじ)

「製麹室」は麹米を造る部屋です。ここが一番、手間のかかる作業。今回は幸運にも「大吟醸」の麹米完成日にお邪魔できました。室内は約30度に保てるよう壁には「温床線」が張り巡らされ、壁から道具に至るまですべて杉の木で出来ています。湿気を適度に吸収し温度の変化をゆるやかにしてくれる、杉の木は抗菌作用があり、杉の香りがお酒とも相性が良いことからだそうです。本当にいい香りでした。
大吟醸の麹づくりはすべて手作業で行い2日半かかります。その間は宿舎に戻って布団で寝る事ができないそう。まるで産まれたての赤ちゃんに何度も夜中に起きてミルクを与えるような感じですね。しかも「初添」「中添」「留添」という3段仕込みをするので3回、麹づくりをするのです。 私はほんの少し取材で入室していただけなのに30度の暑さの中で汗だくでグッタリ、その中での杜氏さんのこの作業は大変です…。

出来上がった麹米はまるで綿のようにフワフワした感じに見えます。出来上がった麹米を触らせていただきました。見た目でベタつきがあるように思ったのですが手触りはサラサラしていて、発酵しているからとても温かかったです。そして出来立ての麹米も食べさせていただきました。ブドウ糖の分解が進みとても甘くて美味しかったです。こんな貴重な体験ができ感激!そして、ごちそうさまです。
温床線  麹米

酒母(酛)(しゅぼ)

酒母室では水と麹と蒸米に酵母を加えて培養し、酒母を作ります。部屋中にフルーティーな香りが広がります。
・普通酒の酒母つくり
最初は米の粒が見える状態。
酵母が増殖し始め大粒の泡がブクブクと表面に現れます。
落ち着いてくると大粒の泡から、次第に細やかな泡へと変化していきます。
・大吟醸は低温で醗酵させるので発酵タンクは別にあります。
酒母  大吟醸タンク  大吟醸用タンク内部

醪仕込(もろみじこみ)

酒母に麹、蒸米、水を加えて醪を仕込みます。醪を仕込むとガスが出始め2・3日目くらいから1週間くらいまで最も発酵が進み、ガスのはじけるプチプチ・シュワシュワという音が聞こえます。まさに、同社のキャッチコピーとして使われている「秩父の森に酒のささやきがきこえる。」を体感させて頂きました。
・昔は樽の周りに渡された板の上で作業をしていましたが、今は作業効率・安全性・衛生面を考慮しタンクは埋込みになっています。タンク内は3メートルあるそうです。洗浄作業は機械洗浄した後、タンク内にハシゴを掛けて中に入りひとつひとつ丁寧に人の手で掃除しているそうです。
・埋め込まれた地下の部分のタンクの様子。
11~12度に設定されていて、杜氏さんたちが毎日、タンク内の泡の出方を見て、翌日の気温や天候を見極め冷却温度を設定しています。
仕込室  仕込タンクの埋め込み部分

槽掛(ふながけ)

醪をしぼり機にかけ、粕とを分離させます。お酒は搾られ、かめくちに出てきます。そして酒粕がしぼり機のフィルタの間に残ります。
できたての酒粕も一口頂きました!チーズのようなモッチリとした食感でした。
大吟醸の醪をしぼる袋はサラシで毎年、社員の方たちが皆で作るそうです。スゴイですね!
酒粕

ろ過

分離させた酒をろ過して清澄させます。

火入

約65度の熱で殺菌。

貯蔵

アルコール分20%の原酒の状態で貯蔵。

調合

市販の日本酒の規格に調合。

ビン詰・製品

ビンに詰め、ラベルを貼り製品に仕上がります。
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