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安さんの鉄博通信 >> No.21 おかげさまで開館4周年 記念展「時間旅行展〜生活と通勤電車の進化」がはじまりました。

おかげさまで開館4周年 記念展「時間旅行展〜生活と通勤電車の進化」がはじまりました。

早いものでこの10月14日で鉄道博物館は開館4周年をむかえます。累計入場者数も間もなく500万人に達します。これもひとえにお客様のおかげと深くお礼を申し上げます。
  今回は皆さまが鉄道と接する一番身近な存在である通勤電車にスポットをあて、この半世紀の変遷とこの間の私たちの生活を振り返ってみることにしました。高度成長期から今日までの懐かしい情景や生活の道具などが一杯つまった記念展覧会です。
  遠い昔のことではなくて、少し昔から始まる内容です。「そうだ、これだった」などと納得の笑顔がこぼれています。当時を知らない方も興味深く観覧されています。一世代前 ? からの時間旅行(タイムトリップ)を楽しみませんか、来年の1月9日まで開催されます。

展示の構成と主な内容

1960年代から現代までのおよそ50年間をその時代の特徴に合わせて4時期に区分し、当時の通勤電車と人々の生活、ポスター等を紹介し、往時をしのぶ展示となっております。後述する通勤型車両の205系とE233系の車内モックアップを製作、展示しておりますので着座体験もできます。

高度経済成長期

通勤電車の代表格は101系でした。国電近代化の一番手として1957(昭和32)年に登場しました。車内のレイアウトは4ドア、両開きとなり現在まで引き継がれています。台車やモーターが大幅に改良されて走行性能や乗り心地も画期的な進歩をとげました。未だクーラーは有りませんが蛍光灯と扇風機が採用されました。
  当館に実車(オレンジ色、中央線カラー)が展示されていますので改めてご覧下さい。
  旅行ポスターの「ディスカバージャパン」「その先の日本へ」なども当時のものです。

急成長に伴う変革の時代

1980年代以降の電車は205系です。快適性やメンテナンスの向上をはかって1985年に登場し、現在でも埼京線、武蔵野線、横浜線などの主力として活躍中です。
  急成長の時代に登場したゲーム機や携帯電話機(肩掛式)などが当時の懐かしい物も展示されています。電車も機械も生活の周辺にもまだアナログの機器が多用されていたころのことです。
  1960年代の暮らしの「三種の神器」といわれた白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機のほか、映画(三丁目の夕日)の懐かしいセットも紹介されています。

多様化の時代

21世紀入りと前後してデジタルの時代にかわりました。鉄道駅では自動改札機の普及によって切符の時代からカードやモバイルスイカに変換されました。携帯電話の驚異的な普及やパソコンなどITの技術が生活の中に溶け込み、情報のやりとりが自由存分にできる次代が急速にやってきました。電車は209系から現在のE233系へと進化しています。

未来の電車と生活

次世代の通勤電車としてJR東日本が開発中の車内を紹介しています。座席の改良で一層の乗り心地改善とマナーの向上を目指しています。新幹線E5系誕生などと見比べながら通勤型の将来や鉄道旅行などを想像して見ましょう。

2011/10/13  鉄道博物館ボランティア  安川彰一