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安さんの鉄博通信 >> No.31 大宮駅、東北線(宇都宮線) 開業130周年記念展が始まりました

大宮駅、東北線(宇都宮線) 開業130周年記念展が始まりました

本年は明治18(1885)年3月16日の大宮駅の開設と同年7月の東北線、大宮〜宇都宮間の開業から130年目になります。やがて後の大宮工場と操車場の開設と続き、昭和57年の新幹線大宮開業など大宮は鉄道の街として大きく発展してまいりました。
  鉄道博物館では大宮と関連する鉄道網の発達の歴史を振り返る企画展を開催しております。
  「OH ! MIYA HISTORY」というサブタイトルです。知らなかった事、忘れていた事が沢山発見できると思います。
  来年2月14日(日)までの会期です。どうぞお出かけ下さい。

高崎線の方が東北線より2年早く開業しております

  • 日本で最初に鉄道が開業した明治5(1872)年以降、官設(国営)で敷設された区間は新橋〜横浜間や京阪神地区の一部に限られました。
  • 各地の旺盛な鉄道建設機運に応えたのは、高崎線や東北線を建設した「日本鉄道」をはじめとする私鉄でした。(それらの路線は明治の末期に国有化されます)
  • その日本鉄道が上野〜熊谷間を開業したのが明治16(1883)年のことで、埼玉県内の駅は浦和、上尾、鴻巣の順で大宮は有りませんでした。
  • 大宮の街の発展のためにも駅の設置が不可欠という誘致運動も盛んとなった折に、東北線の分岐点として大宮駅が明治18(1885)年開設されました。

鉄道の街「大宮」としての発展

  • 高崎、東北両線の分岐点にあるという立地条件から、列車の操車場、機関庫、車両工場などが順次建設され、鉄道の重要施設が集中する街として急速な成長が始まりました。
  • 現在当館に展示されている蒸気機関車「善光号」はその大宮機関庫をねぐらとして、路線の延伸工事にも活躍しました。
  • 鉄道の国有化後も大宮の各鉄道施設はそれぞれに主要な鉄道拠点として位置ずけられ、更なる拡張と鉄道にかかわる人口の増加が続きました。
  • 100年を超える時が流れ、大宮駅は東北、上越新幹線の始発駅となったころからの飛躍的な発展を遂げました。現在は首都圏の北の玄関口として新幹線の全列車が停車し、東日本の中核的な駅として賑わっています。
  • 鉄道博物館も2007年の開館以降「鉄道の街大宮」の一部として歩んでおります。

大宮工場の展示室と当館のつながり

  • 大宮工場(正式には大宮総合車両センター)は明治27(1894)年工場開設以降、当時の日本鉄道はもとより後の国鉄時代には守備範囲を広範囲に拡げた有数の鉄道工場になりました。
  • また、鉄道や機械の知識を一般の人に普及する目的で常設の鉄道展覧会を早い時期から行っていました。後に「参考品陳列所」として開設されます。
  • 当時の趣旨として「日本の将来を背負う子供と、この子供を教育する母たる人に活きた知識をもたせるため、普及の対象として女性と子供の来場を歓迎する」とありました。
  • この思想こそが現在の鉄道博物館の目的と重なり、展示手法としても、大きな影響を受けることとなりました。
  • 陳列所用として製作された当時の車両模型が当館に引き継がれており、ご覧になれます。

その他

  • 当館は米国オハイオ州ボルティモアの鉄道博物館との姉妹提携を昨年9月に結んでおります。米国の同館を紹介する記念展覧会を同時に開催中です。あわせてご覧になれます。

2015/10/20  鉄道博物館ボランティア  安川彰一