サイトトップ > 埼玉を元気にする企業 > 2010年7月

会社維持発展のために学び続ける 高砂製菓(株) 代表取締役 折原昌司

「経営者が成長すれば社員さんも幸福になれる。社員さんと共に向上して行きたい、と思うようになったのは同友会で学んだから」。
同友会に入会して現在5年目。2年目に経営指針セミナーに初参加。その後も積極的に経営委員会や社員教育委員会で活動する中、多くの会員の話を聞き学ぶことによって「皆が幸せになる会社になって行きたい」と本気で思うようになったと言います。
製造メーカーとして「製品に尽くす」ことをモットーに、「一番ではなく一流」の製品を目指し、心をかけたモノづくりに励んでいます。

研究の末、他にはない味を確立

   高砂製菓は、1961年創業で折原社長が2代目。「揚げせんべい」「揚げ餅」の専門メーカーです。そのこだわりは、原料と加工技術に現れています。お米の甘みを味わえる原料米とはどんなものか? 製品に深さとコクを与えるフライオイルは何なのか? よい原料を前提に、それをどのように加工したらおいしさが生きるのか? など研究を重ねます。
 業界初の「手揚げ遠赤外線製法」。また、滅多に見ることのない「天日干し」の製品もあります。これは、揚げる前段階である「生地」を屋外のお陽さまでじっくりゆっくり乾かして行く製法。少し乾かしては箱に戻し、翌日また少し乾かしては箱に戻す。この作業を約5日間繰り返します。この日数をかけることにより、お米が甘みのあるアミノ酸を作り出し、美味しい「揚げ餅」ができあがるといいます。

工場直売のメリット

  工場直売の開始
 取材当日、折原社長に先導され工場へ。工場では、社員さんの笑顔と元気のよい挨拶。社内の明るい雰囲気に驚かされました。そして、他社にはあまりみられない設備やこだわりの手法を説明される折原社長の熱心な表情に、自信を持ってお客さまに愛される商品づくりをしているのだなと感じます。
 この工場で製造される商品は、3割が老舗の下請け、3割が地方のお土産屋さん、4割が自社ブランドの卸しとなっています。今まで小売や直接お客に売る、ということはしたことがなかったのですが、「自分で造ったものを自分で売る」ことを一つのコンセプトにし、3ヶ月前から工場敷地内に店舗を構え、工場直売が始まりました。「『自分の造ったものは自分で売る』ことは、今後の自社の粗利改善に貢献する可能性があります」と折原社長。
 また、工場の社員さん達が直接お客様と接することで、お客様の声が社員さんに直に届くようになってきます。自分達の造っている製品がお客様に喜ばれているのか。喜ばれていると知れば、社員さん達にも大きな喜びになるに違いありません。さらに、それが個々の「誇り」となり、「お客さまの立場になって仕事をする」ことにつながる、と語られていました。

 自分たちで決めることで意識も変化

   「自分たちで決めたことは自分たちで守る」ことも同友会で学んだこと。社長の指示命令だけでは、見えないところではやってもらえない。でも、皆自分の好きなコトはするのだから、自分たちで話し合って「自分達で決めたこと=好きなコト」にする活動をはじめました。
 以前は、なんでも社長が決めていました。朝礼は、社長ひとりが話をしているといった感じで、皆がだんだん遠のいて行く感じがしていました、と苦笑い。同友会では社員はパートナーというけれど、こんなに立場が違うのにどうしてパートナーになり得るのか、ということが全くわかりませんでした。でも今は、一緒にほんとうの人生の幸福を目指して行くパートナー、と思っています。 
 最近、一番嬉しかったことは、繁忙期であるにもかかわらず、工場の社員さん達自ら「新人さん達の受け入れ体制のことでミーティング(会議)がしたい。自分達で時間を作りますからやってもいいですか」と言われたこと。着実に社員さんの意識は変わってきています。

維持発展に理念は欠かせない

「同友会でいろいろなことを学んでいるけれども、『経営者は利益を出し続ける意欲を持つことが大切』と私は思っています。これは、同友会ではあまり聞かない。でも、経営者が現状をよしとしたら未来はありません。そこそこでいいなどと思わず、利益を上げる意欲を持ち続けられるように、自分自身の心を鍛錬することこそ“社長の責任”だと思います」と折原社長は自らを奮い立たせているようでした。
折原社長は、成長のため学ぶことへの労力を惜しみません。「理念はなくても経営は出来る。でも、理念がなければこの先10年、20年と会社を維持発展させることは出来ない。今、ウチの理念をじっと見ていると、何か変だと思うのです。理念というよりビジョンと行動規範がごっちゃになっているからなのですね。成文化(文章として書き現すこと)は大切ですが、そこは分けて整理して書く必要があったと思っています」。
「自分は何のためにこの仕事をしているのか?何のためにこの会社はあるのか?どうやって世の中に役に立とうとしているのか?その答えを得るために、何度でも経営指針セミナーに参加します」。その決意を胸に、折原社長は指針づくりに取り組むそうです。
 「同友会はいろんな体験が出来るところ。私にとっての地区会は、地元の居場所であり基本」。同友会に熱心なのは、ほんとうに会社が大変だから単純に会社を良くして行くためなのですよ、と語る折原社長は、地区会でもなくてはならない存在です。

経営理念

心ある 質の高い仕事をする会社であり続ける。
人材を育み、活かす会社であり続ける。
製品に尽くし 仲間に尽くす。お客様には感動を。

会社概要 

   高砂製菓(株)
 代表取締役 折原昌司 
URL:http://www.takasagoseika.co.jp/
久喜市北青柳1337番地の1 
TEL:0480-23-1652 FAX:0480-23-1662
 

埼玉中小企業家同友会
copyright 2009 ecity saitama corp.